(2003年度)現代民主主義論(最後の更新:2004年1月10日)

 ※ 数年前のもので,授業の構成も変わっていますが,参考のために残しておきます。

9/29 @ 近代民主主義から現代民主主義へ 〜2つの契機と4つの特徴
(補論)Max Weberの支配の3類型
参考文献:ヴェーバー『職業としての政治』11-12頁(岩波文庫)












10/6 A シュンペーターと「エリート間競争モデル」
 〜職業政治家と一般有権者の乖離が大きくても民主主義は成立しうる?
参考文献:シュムペーター『資本主義・社会主義・民主主義』第4部(東洋経済新報社)
     白鳥=曽根編『現代世界の民主主義理論』第1章(新評論)曽根泰教執筆
10/20 B ミヘルスと「寡頭制の鉄則」〜党内民主主義は一国の民主主義にとって必須の要件?
参考文献:佐々木毅編『現代民主主義の名著』(中公新書)所収の
        「ミヘルス『政党の社会学』」氏家伸一執筆
       足立幸男編『現代政治理論入門』第7章(ミネルヴァ書房)氏家伸一執筆
(補論)ダールの「ポリアーキー」 〜民主化への複数の経路
参考文献:Robert A. Dahl, Polyarchy (『ポリアーキー』三一書房)
       足立幸男編『現代政治理論入門』第15章(ミネルヴァ書房)谷聖美執筆
10/27 C バークと代表制〜議員の自律性と選挙民の関係はどうあるべきか?
参考文献:「1774年11月3日のブリストル演説」〜プリント配布
       (『エドマンド・バーク著作集2』(みすず書房,1973年)所収)
(補論)古代ギリシアの民主主義,近代民主主義,現代民主主義
参考文献: ダール『デモクラシーとは何か』第1部(岩波書店)
(補論)影響力について〜明示的影響力,非明示的影響力,anticipated reaction
参考文献: ダール『現代政治分析』(岩波書店)
参考文献: 大嶽秀夫ほか『政治学』53頁(有斐閣)
11/10 <番外編>前日の総選挙の解説
11/17 D ダール,Who Governs ? 〜不平等は累積的か非累積的か?
参考文献:Robert A. Dahl, Who Governs? (『統治するのはだれか』行人社)
       白鳥令編『現代政治学の理論 上』第3章(早稲田大学出版部)加藤健一郎執筆
       秋本律郎『現代都市の権力構造』第U章(青木書店)










12/1 E 「集団の噴出」と集団理論〜政治過程は社会の利益の反映にすぎない?
参考文献:川端=的場編『現代政治』第Y章(法律文化社)佐藤満執筆
12/8 F 集団理論への批判(1)〜利益の組織化と利益の代表(反映)をめぐって
 ・組織化されやすい利益とされにくい利益があるのではないか〜集合財とフリーライダー
 ・政府へのアクセスに偏りはないか〜「鉄の三角形」 /その後の「公共利益団体」の出現
参考文献:真渕勝ほか『はじめて出会う政治学』(有斐閣)第1章
       森脇俊雅『集団・組織』(東京大学出版会)第1・2章
12/15 G 集団理論への批判(2)〜社会還元論に対して
・新制度論と国家論(statism)=講義ではなるべく簡潔に扱うつもり
参考文献:真渕勝「アメリカ政治学における『制度論』の復活」『思想』1987年11月号
(補論)公共財,集合財,フリーライダー
     参考文献:森脇俊雅『集団・組織』(東京大学出版会)第1・2章
12/22 H プルーラリズムとコーポラティズム
 〜諸利益はいかにして表出・集約・調整されるか?
参考文献:大嶽秀夫ほか『政治学』(有斐閣)第5章第3節
       伊藤光利ほか『政治過程論』(有斐閣)第7章第2節
政党の理論 12/24 I 政党と政党システム(1)
参考文献:川人貞史ほか『現代の政党と選挙』(有斐閣)
1/19 J 政党と政党システム(2)
参考文献:川人貞史ほか『現代の政党と選挙』(有斐閣)

以上の文献の中には,実際に講義をするにあたって,かなり参考にしたものとそうでないものがあります。

第5回目の講義で,争点法(issue approach)と評判法(reputational approach)について話しました。
現代日本政治を分析した著作で,前者の手法による代表作としては
大嶽秀夫『増補新版 現代日本の政治権力経済権力』(三一書房,1996年)絶版
後者の手法による代表作としては
村松岐夫『戦後日本の官僚制』(東洋経済新報社,1981年)絶版
があります。興味のある方は読んでみてください(特に前者はお薦め)。
いずれも分析対象とした時期がやや古いので注意すること。
なお,後者は,評判法を使っていますが,多元主義的な見解を提示しています。

最後に,以上のほかに,講義にあたって参照した文献をあげておきます。
バークの代表論: Hanna Fenichel Pitkin, The Concept of Representation,
           (University of California Press, 1967) ch. 8.
集団理論とその展開: Andrew S. McFarland, "Interest Groups and Theories of Power in America",
               British Journal of Political Science, 17-2, 1987